目のコラム
日本の平均寿命はご存知ですか?
2023年の日本人の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳と80歳を超えています(厚生労働省の調査による)。しかし、自立して自分らしく生活できる年齢、いわゆる「健康寿命」は男性で約72歳、女性では約75歳で、寿命より10年ほど短いんです。
どうやったら、健康寿命をのばせるのでしょうか?
それを説明するのに<フレイル>という言葉があります。フレイルとは、加齢により体が衰えた状態、つまり病気の一歩手前の状態を指します。健康寿命を伸ばすためには、体がフレイル状態にある人に適切な医療を行うことが大切であると考えられています。そして、目のフレイルは体のフレイルにとても関係があります。たとえば見えにくいことで、気持ちが落ち込んで鬱状態になったり、認知症が進んだり、移動するのも億劫になるので体が動かなくなったり、社会とも関わらなくなってしまったりすることは、容易に想像がつくと思います。見え方と、健康に生きることには大きな関わりがあります。
目のフレイルのチェックリスト
- 目が疲れやすくなった
- 夕方になると見にくくなることがある
- 新聞や本を長時間見ることが少なくなった
- 食事の時にテーブルを汚すことがある
- 眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった
- まぶしく感じやすい
- まばたきしないとはっきり見えないことがある
- まっすぐの線が波打って見えることがある
- 段差や階段で危ないと感じたことがある
- 信号や道路標識を見落としたことがある
2つ以上あてはまるかたは、アイフレイルの可能性があります。眼科への受診が必要かも知れません。
どんな病気の可能性があるのでしょうか?
今、日本の失明原因の1位は緑内障、2位は夜盲を来す網膜色素変性症、3位は糖尿病網膜症、4位は最近増えている加齢黄班変性です。不治の病と思われていた病気も、早期発見・早期治療で進行を遅らせ、失明を防ぐことができるようになってきましたし、そのほかにも、網膜剥離や白内障も検診で見つけてもらうことができます。
とくに症状がなくとも、半年に一回から1年に1回くらいは眼科専門医を受診して必要な検査をうけるといいです。早期発見、予防をすることはとても大切です。